トレントの仕組みから意見照会・開示請求が届いた場合について

昨今、BitTorrent(ビットトレント)の利用者から、プロバイダから連絡が届いた(意見照会)、権利者との示談交渉などの相談や依頼が増えています。

そこで、今回は、BitTorrentに関する相談について説明していきます。

1 BitTorrentとは何か

BitTorrentとは、P2P通信によるファイル共有の規格になります。

まず、P2P通信とは何かを確認します。

インターネット上でのやり取りの多くは、1台のサーバーに対して複数の端末がアクセスし、サーバーと端末がやり取りしていきます。他方で、P2Pでは、特定のサーバーを介さずに1台1台の端末同士が直接接続し、通信を行います。そのため、一般的な形では、サーバーはサーバーの役割を担い、そこにアクセスする端末はサーバーにアクセスするクライアントにすぎません。しかし、P2Pでは各端末がサーバーとクライアントの両方の役割を担うことになります。

2 BitTorrentの利用の何が問題となるのか

BitTorrent上では、違法にアップロードされたコンテンツが存在しています。この違法にアップロードされたコンテンツをBitTorrentを通じてダウンロードした際に、同時に自身が所持しているファイルの一部を他のユーザに提供(アップロード)する仕組みになっています。

違法アップロードと知りながら、違法アップロードコンテンツをダウンロードする行為も著作権侵害行為となりますが、より悪質な著作権侵害行為であるアップロード行為も仕組み上行われていることになります。

したがって、BitTorrentの利用それ自体が直ちに違法となるのではなく、BitTorrentの利用を通じて、著作権侵害行為を行っていることが違法であり、問題となります。

3 開示請求やプロバイダからの意見照会が届いたらどうするか

プロバイダからの意見照会が届いた場合、開示に同意するか/不同意かの回答が求められます。この場合、同意回答をした場合には、プロバイダは開示請求者に対して氏名や住所などの情報を開示することになります。他方で、不同意回答の場合には、任意の開示手続の場合にはプロバイダは開示請求者に対して開示を行わないことが多いですが、裁判所での開示請求手続の中での意見照会であった場合には、不同意の回答をしても裁判所が開示を認めるケースがあります。

また、回答をしない(無視した)場合は、主張が行われなかったものとみなされるため、無視することはおすすめしません。

このように意見照会の段階で、状況を把握し、適切に判断していくことが重要になっていきます。

そこで、意見照会が届いた際には、

  • そもそもトレントを利用したことはあったのか
  • 利用したことがあったとして、利用期間はいつからいつまでなのか
  • 著作権侵害を主張されているコンテンツは何か
  • ネットは自分だけが利用する状況であったか

などについて、冷静に事実確認と記憶喚起を行うことが大切です。

そのうえで、トレント問題に理解のある弁護士に早期に相談してください。

4 情報開示後、示談交渉など

プロバイダから氏名や住所の開示がされると、開示請求者(権利者)から損害賠償の請求が行われることが多いです。そして、この請求を受けて示談交渉を進めていくことになります。

この際に、権利者からの請求金額は、トレント問題に関する裁判例が示した判断内容に比べて高額になっていることも少なくありません。また、この示談交渉は専門的な知識が必要となってきます。例えば、実際の事案が裁判例と同じケースといえるのか、同じケースである場合にどの程度の金額が算定される可能性があるのかについて検討していくことになります。そのため、弁護士に相談することが大切です。

5 まとめ

BitTorrentの利用を理由とした開示請求やプロバイダからの意見照会などが届いた際は、慌てずに弁護士に相談してください。

事実関係を適切に把握し、裁判例を踏まえた交渉を進めることで適正な金額での解決を図ることなどができます。

BitTorrentに関するお悩みのある方は、こちらからお問い合わせください。