日弁連のウェブサイトに「日本の刑事司法見えるかプロジェクト」というページがあり、その中に「統計から見える日本の刑事司法」というコンテンツがあります。今回は、その「統計から見える日本の刑事司法」のデータから刑事弁護を考えてみたいと思います。
1 逮捕
刑事訴訟法において逮捕は
- 通常逮捕
- 緊急逮捕
- 現行犯逮捕
- 準現行犯逮捕
が規定されています。この中でも通常逮捕は、刑訴法199条1項において「裁判官のあらかじめ発する逮捕状」によって逮捕をすることができるとされており、逮捕状が必要とされています。では、裁判官の逮捕状の発付率はどの程度なのでしょうか。
日弁連ウェブサイト「統計から見える刑事司法」によると逮捕状の発付が98.6%であり、裁判官が逮捕状の請求を却下したのが0.1%、捜査機関から逮捕状の請求を取り下げたのが1.3%とのことです。
そうすると、犯罪の嫌疑をかけられ、被疑者となった場合には、捜査機関に逮捕状の請求をさせないこと(逮捕しなければならない状況にならない)が重要と考えられます。そのため、犯罪の嫌疑がかけられている場合、また、かけられている可能性がある場合には、早期に弁護士に相談し、刑事弁護を受けることが逮捕のリスクを減らすためにも大切といえます。
2 勾留
刑事事件の身柄事件(逮捕・勾留されている場合)は、次のスケジュールが法定されています。
まず、逮捕から48時間以内に警察から検察庁へ送致し、送致から24時間以内に勾留請求するか釈放するかを決めます。そして、勾留の場合には、1度目の勾留期間が最大10日間であり、その期間に捜査を終えることができなかった場合には、勾留の延長を請求することができます。この勾留の延長も最大10日間となりますので、概ね逮捕から勾留までが3日間、勾留期間が20日間の最大23日間が捜査時の身体拘束期間となります。
また、勾留も勾留の延長も裁判官の判断が必要になっています。では、勾留と勾留の延長はどのような統計データとなっているのか確認していきます。
まず、勾留請求についてです。勾留請求段階では、逮捕したものの検察官において勾留の必要がないと判断し、勾留請求をしていない者もいますが、勾留請求をした場合には、裁判官は勾留を認めるのが96.2%、却下するのが3.8%となっています。
次に、検察官が勾留の延長を請求するのは、勾留人員の69.6%となっています。そして、裁判官は、勾留延長の請求を99.8%認め、0.2%却下します。
そうすると、勾留・勾留延長の段階についても、検察官に勾留の必要がないと考えてもらうこと、勾留の延長をする必要がないことを理解してもらうことが重要といえそうです。
3 まとめ
逮捕や勾留といった身柄拘束がされると、今まで通りに家庭や仕事などの日常生活を送ることができなくなります。そのため、身柄拘束を回避することは、刑事弁護、特に捜査弁護において重要なポイントとなります。
今回、この逮捕と勾留に関する統計データからは、そもそも逮捕状を請求されないようにすることや勾留請求をさせない状況となっていることが、身柄拘束の回避に重要なポイントになってくることが見えてきました。
そのため、自身が捜査を受けている、家族が捜査を受けているなど刑事弁護についてご相談を希望される方は、早期にこちらからお問い合わせください。